『マッチ・スティック・メン』(Match Stick Men by Ridley Scot: Nicolas Cage, Sam Rockwell, Alison Lohman)
☆ ☆☆☆☆
おお、ひさしぶりの五つ星だ。
リドリー・スコット+ニコラス・ケイジの組み合わせって、はじめてじゃないかな。たぶん。これは「食い合わせ」がよかった。
ニコラス・ケイジの「潔癖症・広場恐怖症」のチックの詐欺師という設定が絶妙。こういう役を演じて、オープニングからいきなり観客の共感を得られる俳優って、ニコラス・ケイジしかいないよな。
びっくりは14歳の少女を演じたアリソン・ローマンちゃん。なんとこのとき実年齢は24歳。
アリソンちゃんのフィルモグラフィーをみたら、映画デビューは『風の谷のナウシカ』のアメリカ公開英語版の「ナウシカの声」でした。
かわいいぞ。
『シャンハイ・ナイト』 (Shanghai Knights by David Dobkin: Jackie Chan & Owen Wilson & Donnie Yen!)
☆☆☆☆
『シャンハイ・ヌーン』に続く「駄洒落タイトルシリーズ」第二弾。「お昼」の次は「夜」じゃなくて「騎士」なのね。
ジャッキー&オーウェンのでこぼこコンビ、今回も絶好調で、これはもしかするとビング・クロスビー&ボブ・ホープ、ジェリー・ルイス&ディーン・マーチン以来のひさしぶりの「コンビ映画」の名シリーズになる可能性がある。
ジャッキー・チェンは相手役を立てて、自分の「引きどころ」を知っているたいへんにクレバーなスターであるが、彼が最近パートナーとして選んだ『ラッシュアワー』シリーズのクリス・タッカーと『シャンハイ』シリーズのオーウェン・ウィルソンを比べると、オーウェンくんの方がどうやら「相性がいい」ようである。
これはNGシーンにちょっと出てくる、オーウェンくんの「素」からにじみでる「人の良さ」の手柄である。
それに、オーウェンくんはなによりも「声」がよい(クリス・タッカーの声はほとんど「拷問」だけど)。
画面で何も事件が起きなくても、彼の声を聞いているだけで、ハッピーな気分になるほど、よい声である。
これほど声のよいハリウッド・スターはハリソン・フォード以来かも知れない。
そういえば、伝説的な先の二つのコンビでも、「ハンサム」役の二人(ビング・クロスビーとディーン・マーチン)もすごく響きのよいバリトンであった。
なるほど、コメディが成功するには「クルーナー・タイプ」のバリトンが必需品だったんだ。
植木等がそうだし。