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パンチドランク・ベイシック・アイデンティティ

『パンチ・ドランク・ラブ』(Punch drunk love by Paul Thomas Anderson: Adam Sandler, Emily Watson, Philip Seymour Hoffman)
☆☆☆☆
ウチダごひいきのポール・トーマス・アンダーソン(『ブギー・ナイツ』、『マグノリア』)の新作。
期待に胸を膨らませて観たのだが、「期待は失望の母」(@大瀧詠一)とはよく言ったもので、期待しないでだらだら観てたら「ああ、いいなあ」と☆四つになっただろうが、私が「ボンクラ映画の未来は君のものだ」と最大の期待をよせているPTAくんの新作としては、いささか物足りなかった。
主演のアダム・サンドラーくんは『TAXI』シリーズのサミー・ナスリくんにそっくりでとってもチャーミング。
 
『閉ざされた森』(Basic by John McTiernan: John Travolta, Samuel L.Jackson, Connie Nielsen, Harry ConnickcJR)
☆☆☆☆
『ダイハード』のジョン・マクティアナン監督に、『パルプ・フィクション』のバカ二人組による大どんでん返しの密室/密林サスペンス。
なかなかオチが見えなかったが、これはメイキングによると、「全員ワルモノ」というオリジナル脚本に対して、「それじゃ観客が納得しない」というプロデューサー側の意向で、やたらに改変が加えられたためだそうである。そのせいで、何がなんだか分からないプロットとなり、ウチダ的には好みの作品に仕上がった。
ウチダ好みのハリー・コニック・ジュニアがちょい役で出演。(『コピーキャッツ』以来だな)
それにしてもサミュエル・L・ジャクソンは年間何本の映画に出演しているのであろう・・・
 
『アイデンティティ』(Identity: by James Mangold, John Cusack, Ray Liotta)
☆☆☆☆☆
今週のイチオシ。
洪水で身動きできなくなった10人の男女が、一軒のモーテルに集まり、やがて一人また一人と殺されてゆく・・・
『そして誰もいなくなった』のリメイクかしらと思って、「こういう場合は最初に殺されたやつが実は真犯人なんだよな」などと気楽に観ていたのだが、どんどん人は死んでゆくし、死体はなくなるし、集められた全員が5月10日生まれで、おまけにみんな姓がアメリカの州名・・・そして、並行して進む死刑執行停止の審理に、到着しないはずの「囚人」が到着するに及んで・・・「えええ、これはぜんぜん分からなくなったぞ。あと30分で、どうやって話を落とすんだ?」と思っていたら・・・こ、これはびっくり。(ラストのオチは読めちゃったけどね)
よくできた映画です。
それにしてもレイ・リオッタはどんな映画でもぜったいに「こういう役」だよな。
最近気がついたけれど、「画面の横からいきなり自動車が出てきて人をはねとばす」というショッカーが多いですね。
『パンチ・ドランク・ラブ』でも『ドリームキャッチャー』でも同じような絵があった。
『ジョー・ブラックによろしく』でブラピがコーヒー屋から出ていきなりトラックにはねられるあたりからはやりだしたのかなあ。
 

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2004年3月19日 10:32に投稿されたエントリーのページです。

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