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グラインドハウス

グラインドハウス(監督:クェンティン・タランティーノ&ロバート・ロドリゲス、出演:カート・ラッセル、フレディ・ロドリゲス、ローズ・マッゴーワン、シドニー・タミーア・ポワチエ)
 『グラインド・ハウス』はタラちゃん&ロドちゃんの「中坊映画マニア」二人が、子どもの頃に百円玉(ニッケル玉かな)を握りしめて通った場末の映画館で垂れ流し的に上映されたB級C級バカ映画を再現しようとした「雰囲気映画」です(もっともロドちゃんは年がまだ若く、彼が映画を見始めた頃にはもうそういう場末の映画館は姿を消していたので、タラちゃんからさんざんその魅惑について聞かされただけのようですが)。
もともと二本立て(プラス予告編三本)の予定でしたが、調子に乗って撮影しているうちに一本ずつが長尺になりすぎて(二時間近くあるんです)、こんな長い映画を続けて上映したら、ロードショー館では客の回転が悪くてぜんぜん儲からない・・・ということで、『プラネット・テラー』(ロドちゃん)と『デス・プルーフ』(タラちゃん)それぞれ独立した作品として上映されることになりました。切ないですね。オリジナルの雰囲気をぜひ経験したいという人には場末の映画館で「二本立て」になったころを見計らって見に行くことをお勧めします(いつになるかわかりませんけど)。
さて、映画の中身ですが、これはもう「極上中坊映画」と言えば十分おわかり頂けるでしょう(銃がばんばん、車がびゅんびゅん、人がばらばら)。
ロドちゃんのゾンビー映画『プラネット・テラー』はノンストップの疾走感がすばらしいです。とくに身体破壊シーンはおそらく映画史上最高の「ありえね~」度を達成しています。タラちゃんのカー・クラッシュ映画『デス・プルーフ』は彼の「指紋」とでもいうべき「自動車の中(あるいはバーのカウンター)でまるで無意味な話を延々とする人たち」で汗牛充棟。「なんだよこれは・・・」と観客が切れかける直前で話が急転直下、いきなり死人の山という結構も『レザボア・ドッグス』、『パルプ・フィクション』、『キル・ビル』とそっくりですが、今度の「むだばなし」のひっぱり方はちょっと尋常じゃないです。今回「むだばなし」は可愛い女の子たち8人が順番に担当します。この8人の中で、個人的な趣味を言ってもよいなら、僕は“ジャングル・ジュリア”のシドニー・タミーア・ポワチエ(私らの世代にとっては彼女の母ジョアンナ・シムカスは天使のような存在でした)より“バタフライ”の猫眼少女(ヴァネッサ・フェルリト)が気に入りました。

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2007年10月 3日 18:55に投稿されたエントリーのページです。

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