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Intolerable cruelty

『それはないでしょ』(Intolerable cruely by Joel & Ethan Cohen : George Clooney, Catherine Zeta-Jones, Billy Bob Thorton)
☆☆☆+

邦題はそんなんじゃなかったようだけれど、忘れちゃったので、私が勝手につけさせていただきました。
ジョージ・クルーニーはコメディがやっぱり似合いますね。
コーエン兄弟の映画は『O Brother! Where art thou?』(「おい兄弟、どこだよ?」)以来ですが、息がぴたりとあってます。
キャサリン・ゼタ=ジョーンズも性格の悪さをまんまキャラにしていますので、水を得た魚のようで。
ちょい役のビリー・ボブ・ソーントンが相変わらずいい味です。
ハリー=ディーン・スタントンといい、「テキサスの馬鹿な田舎者」役を演じる俳優というのは不思議なことに実は非常に内省的で知的な人物なんじゃないかなという気がします。
つまりテキサス的なものを「笑い飛ばす」行為そのものが知性に媒介されないと不可能である、ということが言外に暗示されているという。
これもきっとハリウッドの南部に対する無意識的な差別の表出の一つなんでしょうね。
だって、考えてみて下さいよ。
『悪魔のいけにえ』とか、そのリメイク版『テキサス・チェーンソー』みたいな映画って、日本で言ったら『鹿児島チェーンソー殺人鬼』とか『青森の人肉男』とか、そういうタイトルなんですよ。
日本だったら、絶対鹿児島県知事や青森県議会からクレームがついて、ことによったら九州東北では上映禁止運動だって起こってもおかしくないような地域差別的な内容なんですから。
そういう可能性をはなから排除してハリウッドの諸君が映画を作っているということは、彼らは南部の観客の「批評性」というものを「ゼロ査定」しているということですよね、きっと。
ハリウッド映画が『イージーライダー』以来どれほど南部諸州を「未開地」として表象してきたか、考えると恐ろしいばかりですが、そのことを指摘した批評家を私は寡聞にして知りません。

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2005年2月 8日 22:35に投稿されたエントリーのページです。

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